マンション大規模修繕のコンサルティング費用は?見積もりのポイントを解説
- 達也 額賀
- 8月5日
- 読了時間: 6分

マンションの大規模修繕のコンサルティングをお考えの方向けに、以下の内容を解説します。
マンション大規模修繕におけるコンサルタントの重要性
マンション大規模修繕コンサルティング費用の目安
費用に関する注意点と確認すべき項目
コンサルティングを任せて、大規模修繕を完了させましょう。
マンション大規模修繕におけるコンサルタントの重要性

マンションの大規模修繕は、10年から15年に一度のタイミングで行われる管理組合にとって大切なイベントです。この大規模修繕を成功させるためには、専門知識を持ったコンサルタントの存在が欠かせません。コンサルタントは、単に工事のアドバイスをするだけでなく、以下のような多岐にわたる役割を担います。
劣化診断・建物診断
施工会社選定支援
設計・工事監理
専門知識を持つコンサルタントに依頼することで、管理組合や修繕委員会の負担が大幅に軽減されます。また、第三者的な立場から公正なアドバイスが得られるため、不必要な工事を避けたり、費用を適正化したりすることが可能になります。これは、大規模修繕を成功させるうえで大切なポイントといえるでしょう。
マンション大規模修繕コンサルティング費用の目安

マンションの大規模修繕において、コンサルティング会社へ依頼する際の費用は、工事全体の費用に占める割合やマンションの規模によって目安が異なります。今回は費用相場等について、以下を解説します。
費用相場とその算出方法
マンション大規模修繕におけるコンサルティング費用の目安は、一般的に工事費用の3%から5%程度とされています。この算出方法は、国土交通省の調査結果でも示されており、多くのケースでこの範囲に収まる傾向があります。具体的な費用は、以下のような要素から構成されることが多いです。
事前調査費用
長期修繕計画策定費用
設計監理費用
工事監理費用
例えば、修繕工事全体の費用が5,000万円の場合、コンサルティング費用は150万円から250万円程度が目安となります。ただし、これはあくまで一般的な相場であり、建物の規模や劣化状況、コンサルタントの業務範囲によって変動します。この算出方法を理解しておくことで、提示された見積もりが妥当な範囲内にあるかを確認する際の参考にできるでしょう。
費用に影響を与える要因(建物の規模、劣化状況、業務範囲など)
マンション大規模修繕コンサルティング費用は、単純な戸数だけでなく、様々な要因によって変動します。主な要因は以下の通りです。
・建物の規模・戸数
マンションの規模や戸数が大きいほど、調査や設計、監理にかかる業務量が増えるため、費用は高くなる傾向にあります。
・建物の老朽化度合い
築年数が経過し、建物の劣化が進んでいる場合、詳細な調査や複雑な修繕計画が必要となるため、費用が増加する可能性があります。
・修繕工事の内容・規模
外壁塗装や防水工事だけでなく、設備の改修や耐震補強など、工事内容が多岐にわたる場合や、工事規模が大きい場合もコンサルタントの業務範囲が広がり、費用に影響します。
・コンサルタントの業務範囲
長期修繕計画の見直し、劣化診断、設計、施工業者選定支援、工事監理など、依頼する業務の範囲が広いほど費用は高くなります。特に現場調査や建物診断が含まれる場合は、専門的な作業が増えるため費用に反映されます。
・コンサルタント会社の知名度・実績
大手や実績豊富なコンサルタント会社は、提供するサービスの質が高い反面、費用が高めに設定されていることがあります。
これらの要因を考慮し、管理組合の状況に合ったコンサルタントを選定し、見積もり内容を詳細に確認することが大切です。
費用に関する注意点と確認すべき項目
大規模修繕のコンサルティング費用を検討する際には、いくつかの注意点があります。それぞれ解説します。
見積もり内容の詳細確認
マンション大規模修繕のコンサルティングを依頼する際、費用に関する注意点として、まず提示された見積もり内容を詳細に確認することが非常に大切です。見積もりには、コンサルタントが提供する具体的な業務範囲が明記されているかを確認しましょう。例えば、以下のような業務が含まれているか、それぞれの費用が明確かを確認します。
建物診断・調査費用
修繕計画策定費用
設計図書作成費用
施工会社選定サポート費用
工事監理費用
アフターフォロー費用
これらの項目が網羅されているか、また、それぞれの費用がどのように算出されているかを理解することが大切です。不明瞭な点があれば、必ず事前に質問し、納得のいく説明を得るようにしましょう。契約後に認識の違いがないよう、書面で明確にしておくことがトラブル防止につながります。
追加費用発生の可能性
マンションの大規模修繕では、追加費用が発生するケースが少なくありません。特に注意が必要なのは、見積もり段階では正確な数量が掴みにくい項目です。追加費用が発生しやすい主なケースは以下の通りです。
・想定より広い範囲の修理が必要
外壁タイルの補修枚数増やコンクリート下地の補修範囲拡大など
・建物内部の劣化
目視で確認できないコンクリート内部の鉄筋のサビや給排水管の劣化など
・足場仮設の難易度が高い
設置条件が悪く、手間や時間がかかる場合
・自然災害による破損
工事中に発生した台風や地震による修繕箇所の増加
多くのマンションで採用されている「実数精算方式」では、実際の数量で精算するため、想定より多かった場合に費用が増加します。ある調査では、実数精算方式で追加費用が発生したマンションは4割を超えています。
追加費用に備え、あらかじめ工事費用の5%から10%程度の予備費を確保しておくことがおすすめです。また、コンサルティング会社に、見積もりの妥当性や実数精算項目の想定数量が適切かを確認してもらうことも有効な対策です。
契約内容と業務範囲の明確化
コンサルティング契約を結ぶ際は、業務範囲を明確にすることが必要です。契約書には、コンサルタントが担当する具体的な業務内容を詳細に記載してもらう必要があります。例えば、以下です。
劣化診断
修繕設計
施工会社の選定サポート
工事監理
どの段階でどのような業務を依頼するのか、曖昧さをなくしておくことがトラブル防止につながります。特に、設計監理方式を採用する場合、設計と監理のどちらまでを依頼するのか、責任範囲を明確にしておくことが大切です。
また、管理会社との役割分担も事前に整理し、契約書に明記することで、業務の重複や漏れを防ぎ、コンサルタントが第三者としての立場を適切に維持できるようになります。これにより、管理組合は安心して大規模修繕を進められます。
マンション大規模修繕のコンサルティング費用の相談はEmpowerUsに!
マンション大規模修繕におけるコンサルティング費用についてお悩みであれば、EmpowerUsにご相談ください。EmpowerUsは、建築分野のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを提供しており、設計・積算のプロが多数在籍しています。マンション大規模修繕においては、現場調査から建物診断、修繕計画の作成、さらに施工会社の選定まで、一気通貫でサポート可能です。
特に大規模改修工事では、図面だけでなく現地での劣化調査を行ったうえで修繕計画を策定するなど、現場に即した対応が可能です。コンサルティング費用については、物件規模や業務内容に応じて最適な提案をさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。
Comments