マンションの長期修繕計画コンサルタントの役割と選び方|メリットも解説
- 達也 額賀
- 8月5日
- 読了時間: 7分

マンションの長期修繕計画を検討している方向けに、以下の内容を解説します。
長期修繕計画コンサルタントの主な役割
長期修繕計画コンサルタントに依頼するメリット
長期修繕計画コンサルタントの選び方・比較ポイント
自分に合ったコンサルタントを見つけましょう。
長期修繕計画コンサルタントの主な役割

長期修繕計画コンサルタントは、マンションの長期的な維持管理において、管理組合を専門的な立場からサポートする役割を担います。その業務内容は多岐にわたりますが、主に以下のようなものが挙げられます。
建物劣化状況の調査・診断
建物の現状を専門家が調査し、劣化箇所や修繕の必要性を判断します。
現行計画の検証・見直し
現在の長期修繕計画が建物の状況や今後のニーズに合っているかを確認します。
新規長期修繕計画の作成支援
調査結果に基づき、将来を見据えた新しい修繕計画の作成をサポートします。
修繕積立金の妥当性に関するアドバイス
計画実行に必要な費用を算出し、修繕積立金の設定や見直しについて助言します。
大規模修繕工事実施時のサポート
施工会社の選定支援、設計や工事内容のチェック(監理業務)などを行います。
これらの業務を通じて、コンサルタントは専門知識を活かし、管理組合だけでは難しい計画の立案や実行を円滑に進める手助けをします。特に大規模修繕工事においては、専門的な立場から施工会社選びや工事内容のチェックを行うことで、管理組合の負担軽減と適切な工事の実施に貢献します。
長期修繕計画コンサルタントに依頼するメリット

長期修繕計画の策定や見直しをコンサルタントに依頼することで、管理組合には様々なメリットがあります。
管理組合の負担軽減
理事会や修繕委員会は、建物の劣化状況の調査、専門業者とのやり取り、工事内容や費用の検討、住民への説明会など、多岐にわたる業務をこなす必要があります。これらの業務は専門知識を要するものが多く、区分所有者の本業や生活と両立しながら進めるのは大きな負担です。
コンサルタントに長期修繕計画に関する業務を依頼することで、専門的な調査・診断、計画策定、業者選定のサポートなどを任せられます。これにより、管理組合の理事や修繕委員の負担を大幅に軽減し、本業や日常生活への影響を最小限に抑えることが可能です。例えば、以下のような業務の負担が軽減されます。
建物診断・劣化状況の把握
修繕内容・工法の検討
概算費用・積立金の見直し
施工会社の選定・交渉
住民説明資料の作成
専門家であるコンサルタントのサポートを得ることで、管理組合はよりスムーズに、かつ適切な内容で長期修繕計画や大規模修繕工事を進められます。
専門知識に基づいた診断と計画立案
マンションの長期修繕計画は、建物の状況や将来予測に基づいて作成される専門性の高い計画です。コンサルタントに依頼することで、建築や積算に関する豊富な知識を持ったプロによる診断と計画立案が可能になります。具体的には、以下のような専門的な視点からの診断と計画が期待できます。
・建物の劣化状況の正確な診断
専門家が建物の構造、設備、仕上げなどを詳細に調査し、劣化箇所やその進行度を正確に把握します。これにより、現状に即した適切な修繕時期や工法を提案できます。
・適切な修繕工事内容と費用の積算
修繕に必要な工事内容を専門的な知見から判断し、適正な費用を積算します。これにより、過不足のない計画に基づいた修繕積立金の設定が可能となります。
・将来的なリスクを踏まえた計画
法改正や技術の進歩、建物の特性などを考慮し、将来発生しうるリスクにも対応できる柔軟な計画を立案します。
・公平性・中立性の確保
特定の施工会社に偏ることなく、管理組合全体の利益を最優先にした公平かつ中立的な立場からの計画を作成します。
経験豊富なコンサルタントは、過去の類似事例や専門知識に基づき、各マンションに最適な長期修繕計画を作成し、マンションの資産価値維持・向上に貢献します。
費用や工事内容の適正化・公平性の確保
管理会社に計画作成を依頼した場合、工事費用に手数料が上乗せされたり、工事機会を増やすために修繕周期を短く設定されたりする可能性があります。また、計画段階では安めの予算を提示し、後から一時金を徴収するケースもある可能性があります。第三者であるコンサルタントは、管理組合の立場に寄り添い、中立的な視点から計画を作成可能です。これにより、以下のようなメリットが期待できます。
・費用の適正化
不必要な工事の削減
適切な工法や材料の選定
見積もり比較支援(大規模修繕時)
・内容の公平性
特定の業者に偏らない計画
居住者全体の利益を考慮した修繕内容
このように、専門家の中立的な視点を取り入れることで、計画段階から工事実施まで、費用と内容の両面で適正化・公平性を図ることが可能になります。
将来的なリスク回避と資産価値維持
長期修繕計画コンサルタントに依頼することで、マンションの将来的なリスクを回避し、資産価値を維持・向上させることが期待できます。
適切な長期修繕計画に基づき、計画的に修繕工事を行うことは、突発的な大規模修繕による一時金の徴収リスクを低減します。資金不足による一時金徴収は、住民間の信頼関係を損なう大きなリスクです。計画的な積立と修繕は、こうした事態を防ぐうえで非常に大切です。
また、建物の劣化を見落とさず、適切なタイミングで必要な修繕を行うことは、建物の性能を維持し、資産価値の低下を防ぎます。特に、給排水管や屋上防水などの見えない部分の劣化は、放置すると大規模な損害につながる可能性があります。専門家による診断に基づいた計画的な修繕は、こうしたリスクを未然に防ぎ、マンションの長期的な価値を保つために不可欠です。
さらに、計画に基づいた修繕履歴は、将来マンションを売却する際の評価にも影響し、資産価値の維持・向上につながります。
長期修繕計画コンサルタントの選び方・比較ポイント
長期修繕計画のコンサルタント選びは、マンションの将来を左右する重要なステップです。失敗しないためには、いくつかのポイントを検討する必要があります。確認すべき主なポイントは以下です。
実績と経験
類似規模・構造のマンションでの実績が豊富か。
専門性と知識
建築だけでなく、マンション管理組合運営に関する知識も十分か。
公平性・中立性
特定の施工会社と癒着していないか、管理組合の立場に立って提案してくれるか。
コミュニケーション
理事会や修繕委員会との連携を円滑に進められるか、説明は分かりやすいか。
提案内容と費用
劣化診断の結果に基づき、本当に必要な工事内容や時期を提案してくれるか、費用は適正か。
特に、公平・中立性は非常に重要です。大規模修繕工事の実施ありきではなく、建物の状況を客観的に診断し、最適な選択肢を提示してくれるコンサルタントを選びましょう。管理組合のスタンスや方針を理解してくれるかどうかも、長期的な信頼関係を築くうえで欠かせません。
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特に大規模改修工事においては、現場調査や建物診断を通じて建物の劣化状況を正確に把握し、現実的な修繕計画を作成します。修繕積立金の妥当性に関するアドバイスや、施工会社の選定、設計・工事監理まで、管理組合様の負担を軽減しながら、適正な費用と工事内容でプロジェクトの推進が可能です。
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