マンション長期修繕計画の適正な作成費用はいくら?相場と内訳を徹底解説
- 達也 額賀
- 8月5日
- 読了時間: 6分

マンションの長期修繕計画を考えている方向けに、以下の内容を解説します。
長期修繕計画の新規作成費用とその相場
長期修繕計画の具体的な作成プロセス
マンションの規模別に費用の特徴はある?
おおよその作成費用を知って、長期修繕計画の作成に役立てましょう。
長期修繕計画の新規作成費用とその相場

マンションの長期修繕計画を新たに作成する際には、様々な費用がかかります。ここでは、その費用構成や相場について詳しく見ていきましょう。
費用構成の主な内訳
マンションの長期修繕計画作成にかかる費用は、いくつかの要素で構成されています。主な内訳としては、以下のようなものが挙げられます。
・現地調査・建物診断費用
建物の劣化状況や設備の状態を確認するための費用です。専門家が目視や機器を用いて詳細な調査を行います。
・資料調査・整理費用
設計図書や過去の修繕履歴などの既存資料を収集し、整理・分析する費用です。
・計画作成費用
調査結果や資料をもとに、将来の修繕内容、時期、概算費用などを盛り込んだ計画書を作成する費用です。人件費や報告書の作成費用が含まれます。
・報告・説明費用
作成した計画案を管理組合に報告し、説明を行うための費用です。質疑応答や修正対応が含まれる場合もあります。
これらの費用は、マンションの規模や構造、劣化状況、依頼する専門家によって変動します。特に現地調査や建物診断は、計画の精度を左右する重要な工程です。費用に占める割合も比較的大きくなる傾向があります。
依頼先別の費用感(マンション管理士、コンサルタントなど)
長期修繕計画の作成費用は、依頼する専門家によって異なります。主な依頼先と費用感の目安は以下の通りです。
・建築士事務所
精密な現場調査(打診調査など)を行い、精度の高い計画を作成します。手間がかかる分、費用は20万円から50万円程度です。
・マンション管理士
劣化診断までは行わないケースが多く、建築士事務所より安価です。計画作成後のサポートも期待できます。費用は10万円程度です。
マンションの資産価値維持と快適な住環境のためには、マンションの実情に即した、専門家による質の高い計画作成が必要になります。費用だけで判断せず、サービス内容を十分に検討することが大切です。
長期修繕計画の具体的な費用

長期修繕計画を作成するには、いくつかのステップがあります。
作成体制の構築
長期修繕計画の具体的な作成プロセスは、まず「作成体制の構築」から始まります。これは計画策定の基盤となる大切なステップです。体制構築の一般的な方法としては、以下の2つが挙げられます。
理事長などの役員が中心となって進める
長期修繕計画を作成するための委員会を設置する
どちらの方法を選択するかは、管理組合の規模や組合員の専門知識の有無によって異なります。専門知識を持つ組合員がいる場合は、委員会形式でより専門的に検討を進めることも可能です。
体制を整えたら、次に誰に作成を依頼するのかを検討します。管理会社、マンション管理士、専門のコンサルタントなど、依頼先によって費用や提供されるサービスの質、計画の精度が異なります。求める精度や予算、マンションの状況に合わせて、最適な依頼先を選ぶことが、質の高い長期修繕計画を作成するための鍵です。
現地調査の実施
設計図や仕様書だけでは分からない建物の実際の状態、特に劣化状況や正確な数量を把握するために行われます。現地調査を行うことで、計画の精度が格段に向上します。現地調査で得られた情報は、修繕が必要な箇所の特定、工事時期の優先順位付け、そして正確な工事費用の算出に必要です。
既存情報の整理(設計図、修繕履歴など)
長期修繕計画を作成するうえで、既存情報の整理は大切です。特に以下の情報は計画の精度を高めるために欠かせません。
・設計図や仕様書
建物がどのように建てられたのか、どのような材料や仕様が使われているのかを確認できます。これにより、正確な数量を把握したり、将来的な修繕工事の仕様を検討したりする基礎となります。
・過去の修繕履歴
これまでにどのような修繕工事が行われたのか、その時期や費用、工事内容を把握することは、今後の劣化予測や修繕周期を検討するうえで貴重な情報です。過去の工事実績を反映させることも、計画の実効性を高める方法の一つです。
これらの情報を整理することで、現地調査の結果と合わせて、より現実的で精度の高い長期修繕計画を作成することが可能になります。
計画案の作成と検討
現地調査や既存情報の整理が終わると、それらをもとに長期修繕計画案が作成されます。この計画案では、今後必要となる修繕工事の項目、実施時期、概算費用などが具体的に盛り込まれます。
計画案の作成にあたっては、国土交通省が定めた「長期修繕計画標準様式」や「長期修繕計画作成ガイドライン」に沿って、進められるのが一般的です。特に、以下の情報が詳細に記載されます。
マンションの建物・設備の概要
推定される修繕工事項目と周期
推定される修繕工事費用の内訳
計画案は一度作成したら終わりではなく、管理組合内で十分に検討を重ねることが必要です。専門家からの説明を聞きながら、マンションの現状や将来を見据えた計画になっているか確認します。計画案が固まったら、最終的に管理組合総会での承認を得る必要があります。
総会での承認プロセス
作成された長期修繕計画は、マンションの区分所有者で構成される管理組合の総会で承認される必要があります。この承認を得るためには、計画内容を住民に分かりやすく説明し、合意形成を図ることが重要です。長期修繕計画は、マンションの資産価値維持や安全性の確保に不可欠なものであるため、総会での丁寧な説明と合意形成の努力が成功の鍵となります。
マンションの規模別に費用の特徴はある?
マンションの長期修繕計画作成費用は、建物の規模によって変動するのが一般的です。部屋数が多い大規模マンションほど、調査対象となる範囲や項目が増えるため、比例して費用も高くなる傾向にあります。具体的な費用の目安を示すのは難しいですが、一般的には以下のような要素が影響します。
総戸数
建物の構造・形状
築年数・劣化状況
ただし、規模が小さいマンションでも、建物の状態によっては費用がかさむケースもあります。最終的な費用は、現地調査やヒアリングを通じて個別の状況を把握したうえで算出されます。
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長期修繕計画は、マンションの資産価値維持や、将来的な修繕費用の確保に不可欠です。専門家による適切な計画作成で、安心してマンションを維持管理していきましょう。
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